東京ではブランド直営店がどうして強い?理由を探ってみた
最近、ちょっと気になるのは「東京にはセレクトショップはない」という言葉です。確かに東京ではセレクトショップよりもブランド直営店に勢いがあります。これはどうしてなのでしょう。ブランドの製品がどちらにもあるのにブランド直営店は集客率があり、セレクトショップのほうはなかなか力を取り戻せない。この理由を海外のセレクトショップ事情もからめつつ、調べてみました。
ブランド直営店でショッピングする楽しみとメリット
東京には高級ブランド直営店が乱立という言葉がふさわしいほど集まっています。特に銀座のルイヴィトンやシャネルに人が途絶えているところを見たことがありません。それだけ海外からの観光客も含め、高級ブランド直営店は集客率がいいのです。これには理由とメリットがあるからにほかなりません。それは確実に正規品が買えることとメンテナンスサービスを受けられることだといえます。やはり高級ブランドのものであれば長く愛用したいということが本音ですから、多少価格が高くなっていても、高級ブランド直営店で買ったほうが先々得なことが多いわけです。また新作がどうしても欲しい場合、高級ブランド直営店ならば予約する形で手に入れることができます。これも大きなメリットだといえるでしょう。人気のあるデザインなら何年でも待てるという方は、高級ブランド直営店で事細かに色や素材を吟味し、予約しているというわけです。多くの方があこがれているエルメスのバーキンはその傾向が強い商品です。
セレクトショップが東京で元気がない理由
高級ブランド直営店はいうなればそのブランドのものがサイズもある程度用意されていますし、お直しが必要な場合もブランドで行ってくれます。しかしセレクトショップではそういう融通が利かないというデメリットがあるのです。加えてまだ日本未上陸のブランドを用意しても、安定志向が強い日本人が大多数を占めていて、セレクトショップに通うお客様も一部になってしまいます。多くのお客様を相手にするという形ではなく、一部の最新のブランドや着こなしに敏感な人間お客様となってしまい、なかなか集客率が上がらないことで、元気がないように見えてしまうというわけです。セレクトショップ自体も東京で経営を継続する場合、バイヤーが自信をもって新進気鋭の国内デザイナーの作品や海外の日本未上陸ブランドをショップにおいても、肝心な集客率につながらないことで元気がないように見えてしまうわけです。
海外のセレクトショップ事情はどうなっている?
現アメリカ大統領のオバマ大統領の夫人のミシェル・オバマ夫人はトップレディという面だけではなく、ファッションセンスの良さでも有名な人物です。彼女は現在、コンサバティブな高級ブランドを身に着け、公的な場に出席することが増えていますが、大統領夫人として活躍し始めた時期に着ていたものは、多くが行きつけのセレクトショップで選んだ新進気鋭のデザイナーの作品です。人気のアレクサンダー・ワンもそこに含まれていました。セレクトショップに行けば、まだ誰も着ていない新進気鋭の才能あるデザイナーの作品が入手できるところです。特に個性を重要視する欧米ですと、セレクトショップに足を運ぶことは自分の個性に合う新しい才能を見つけ出す場所という意味合いが強くなります。つまり「他人と変わっていてもいい。自分に似合うブランドの作品を見つけている」というアピールのサポートをセレクトショップは担っているわけです。そのため自分の個性を打ち出せる服を探すことができるから、という理由も含んで欧米のセレクトショップは一定数の集客率を維持できるのです。
東京のセレクトショップで期待したいこと
経営を考えればリスクを背負いたくないのは、どの仕事でも同じです。しかし実際に服を着る人々は、新しいものを発見したいという願望があります。特におしゃれに敏感で新しい着こなしやデザインに関心が高い人はその願望は強くなっているのではないでしょうか。確かに無名のデザイナーや日本未上陸のブランドをショップにおいて売れるか、というのは大きなリになります。今、東京には数多くのブランドがあります。でも「もっと新しいものを!」という声は不景気でも数が多いのです。今、セレクトショップは東京で岐路に立っています。多くのおしゃれに関心が高い人々は新しいブランドに飢えているのです。それを満たすのはセレクトショップ以外ありません。






