オトコの未来は『やんジイ』でハッピーになる?!
すでに老紳士を「おじいちゃん」呼んではいけない時代が来たのかもしれない…と世間を騒がせた雑誌といえば「MADURO(マデュロ)」。死も視野に入れつつ、カッコよく残りの人生を満喫するスタンスです。そこで「MADURO」の主役『やんジイ』をフォーカスし、これからのおじいちゃ…いえ…『やんジイ』とは何かとファッションも考察してみました。
『やんジイ』とはどんな存在なのか
実は「MADURO」の編集長はかの『チョイ悪オヤジ』を世間に出した「LEON」の名物編集長である岸田一郎さん。「中年男もおしゃれし、スタイリッシュに!」というおしゃれな中年男性を生み出した方です。いわば男性誌のパイオニア編集長が創刊させた雑誌です。その気になれば『チョイ悪オヤジ』はファッションで成り立ちます。しかし視野に死も入れ、遺産相続などの問題も考える必要がある『やんジイ』はファッションだけでは成立しません。『チョイ悪オヤジ』経由『やんジイ』もいるでしょうが、「MADURO」は自分のためにお金を使い、なお相続させる資産を残せる方がターゲットの雑誌なのです! しかも『やんジイ』はおしゃれの修行も恋愛の経験も充実しています。『姫ーナ(浮気相手ですネ)』と『魔ダム(奥さん)』をファッション同様にバランスよく愛せるというのも、『やんジイ』の条件。ファッションだけでもダメ、資産だけでもダメ、とハードルが高く、「俺も『チョイ悪オヤジ』だったから」と気軽になれません。
では『やんジイ』はどんなものを着ているか
「MADURO」に掲載されているものはすべてお高い。しかも最高級品というブランドです。それらを煽るキャッチコピーは「死ぬまでに…」や「…せずに死ねるか!」と人生最後の時期だから胸にしみいるものばかりです。雑誌最大のキャッチコピーが「金は残すな!自分で使え!」ですしね。だからプラダ、アルマーニ、グッチといったトレンドを仕掛けるところは当然のブランド。『やんジイ』の場合はこれらに長年愛用の老舗ブランドをミクスチャーし、ラグジュアリーな着こなしをしています。単純にジャケットを羽織っているだけでも、そのジャケットが実は老舗ブランドのオーダーメイドやカスタムメイドなのシルエットが違います。もしも『やんジイ』に「どうしておしゃれをするのか」と訊いたら「女のためさ」とうそぶきつつ、自分がいつ死んでもスタイリッシュに、クールであるためでは?と思えてなりません。
『姫ーナ』や『魔ダム』は『やんジイ』をどう考えている?
『やんジイ』はいわば「晩年の青春を謳歌するやんちゃなジジイ」ということですが、女性から見ると溜息しかありません。この溜息はうっとりしてではなく、あきれて、です。今まで女性の『美魔女』にあきれて溜息した男性に「その溜息、そのまんま返します」といったところですね。「カッコいいけど、相手にするのは…」「遠目に見るだけなら面白い」というのが女性たちの本音です。『姫ーナ』も『魔ダム』も『やんジイ』は面白いけれど、身近にいたら困るタイプかもしれません。『やんジイ』が「そうなりたくない!」と考える『枯れジイ』のほうが愛おしく感じる『姫ーナ』や『魔ダム』も多いのです。世界は…というか日本は『やんジイ』が考えるほど簡単な構造ではないといえますね。さらに女性はもっと簡単ではない存在なのです。
でも『やんジイ』に学ぶべきことがたくさんある
世間では『やんジイ』は理解しがたい存在です。でも学ぶべきことは多くあります。それは愛用のものはファッションブランドが信頼できる老舗ブランドを選んでいること。卒倒しそうな価格でも結果的にはコストパフォーマがいいわけです。『やんジイ』にガキ扱いされる年齢の方も将来的に大人のカッコよさを身に着けるヒントと着こなし、コーディネイトのアイディアを「MADURO」は与えてくれます。まだ「オーダーメイドの数珠(本当にそういう記事があります)」は早くても、ブルネロクチネリやバーバリー、ベルルッティを手に入れるのは早くありません。これらがいい味わいになるように着こなすためのレッスンコーチの役割を『やんジイ』はしている部分も大きいのです。編集長の岸田さんもおっしゃる通り背伸びして読むべき。上質で長く愛用できる最高級ブランドが紹介されていますし、「どうすれば『やんジイ』になれなくても、『カッコいいじいさん』になれるか」ということを指南しているからです。また最高級ブランドである理由は長く着てこそ味わいが深くなり、『やんジイ』になれなくても、明らかに『カッコいいじいさん』になることは確かだからです。






