バーバリーブランドの服のクオリティって?
日本人は特に品質にこだわると言われておりますが、商品の製造国が中国やベトナム、インドネシア製などであると、工賃の割には商品が割高なのではないかという声を耳にすることがあります。しかし、製造国と品質について言うと、管理する国の基準に沿っているので工員への教育の問題になります。
国による品質
実際、日本に出回る中国製製品と、中国に出回る中国製製品では品質に大きな差があると言われています。日本では安価で高品質の製品が当たり前のように出回っていますが、大きく発展を遂げている上海ですら、日本にある製品と同じようなクオリティを持った製品を現地で入手しようとするといくらお金を出しても叶わないとすら言われています。日本人の品質へのこだわりは、戦後の物資不足の中で粗悪品が出回ったことに対して、自分で衣類を作るために洋和裁の学校が流行ったということからもわかるように、元々強く持っていた本質であると言えます。
英国バーバリー本社での品質のこだわり
日本の紡績と縫製の規格はイギリスを手本としています。ハンドメイド品の品質ではイタリアに定評がありますが、イタリアの製品は素材の風合いや見た目の美しさを重視しているのに対して、日本やイギリスでは丈夫さなどの実用重視で規格のきっちりしたものを作る傾向があります。
例えば生地を比べると、イタリア製は柔らかくシワの出来にくいもの、イギリス製は固くシワの出来にくいものであると言われています。勿論、一概に全てがそのようにはなりませんが、英国バーバリー本社では製品の性質に合わせて原産国を選んでいます。例えばトレンチコートは自国のイギリス、スーツはイタリア、時計はスイスなど、それぞれの品目に合わせて定評のある国での製造となっています。
バーバリーの真骨頂
ギャバジンのトレンチコートは、言うまでもなくバーバリーブランドの代名詞ともいえる存在です。トレンチコートは兵士が塹壕に潜伏する際の、兵士が密集することによる暑さや、水に浸かる場合の耐水性を考慮した、極限的な環境に耐える機能性を備えたコートです。古典的な軍服の類いではピーコートも高い人気を持っていますが、トレンチコートはより活動的な状況に適していて、特にウエストラインをシェイプするベルトの存在は、スタイリッシュな印象をぐんと引き上げます。現在ではそのファッション性の高さから、定番アイテムとして愛され、多く出回っているアイテムですが、やはり「バーバリー」のトレンチコートこそが本物のトレンチコートと考える方も多いのではないでしょうか。
バーバリーのキャバジン
トレンチコートに欠かせないギャバジンは、経糸が横糸に比べて倍以上使われた綾織りで、きつく織り上げられることで水の浸入を防ぐ素材です。特に、コート用として糸に撥水加工が施されて織り上げられた綿ギャバジンには、バーバリーの名で商標登録が行われました。バーバリーのギャバジンは通常より細い糸を用いて織り上げることにより織の間に隙間をもたらしています。そうすることで通気性が確保されて、汗によって体が冷えたり蒸れたりすることを防いでいます。
トレンチコートの縫製
また、トレンチコートの縫製は、そのパーツの多さから非常にたくさんの工程を要するものですが、バーバリーのトレンチコートの襟にはかなりのこだわりが込められ、職人の手作業によるステッチがかけられています。ステッチの数は180を超えますが、このステッチがかかることにより、身体に沿う美しいカーブが完成します。このように、トレンチコートに込められた品質へのこだわりは、バーバリー製品のクオリティへの意識の高さを表現していると言えます。