三陽商会の英バーバリーライセンス契約終了の影響力
2015年6月、春夏コレクションをもって、バーバリーとのライセンス契約終了が正式に決定した三陽商会。この衝撃的なニュースの直後、三陽商会の株価は急落。その後もしばらくは回復の傾向は見られませんでした。三陽商会は、日本を代表するトップアパレル企業です。
激震!英バーバリーライセンス終了
トップの地位を築きあげたのは、まさに「バーバリー」の影響力が大きく左右しているのです。英の人気高級ブランドの「バーバリーロンドン」を日本の方々に手の届くブランドにすることで、大ブレイクを果たしたことをきっかけに、独自の派生ブランド「バーバリーブラックレーベル」や「バーバリーブルーレーベル」を誕生させ、ますます勢いは加速。特に1990年代から2000年代頃の日本におけるバーバリーの大ブームは、未だに記憶に新しいところです。社会現象となった大ブームが落ち着いた後も、日本におけるバーバリー人気はトップクラスを維持していました。そして、数年前から噂は囁かれていたものの、英バーバリーとのライセンス終了が本格的に決定してしまうことに。ただ、肩を落としてばかりではいられません。そこで、三陽商会も次の手を打つことに。
三陽商会、今後の経営戦略
英バーバリーとのライセンス契約終了のニュースを受け、しばらく株価が急落していたものの、2014年7月の発表によると、株価上昇の傾向が見え始めているとのことです。これは、2014年5月から、三陽商会の事業計画が徐々に発表され、今後の明確なビジョンが見え始めてきたことと、それとは別に消費税増税の駆け込み需要の影響も含まれています。三陽商会はバーバリー終了後、「マッキントッシュ」や「ポール・スチュアート」などのその他の海外ブランドの強化、ならびにオリジナルブランドの強化を図るとのこと。それにより、バーバリー終了後の赤字予定を黒字にシフトしていく計画を立てています。今までバーバリーに頼りきりの印象があった三陽商会のバーバリーとの決別は、このままスムーズに進むのでしょうか。
三陽商会、バーバリーのライセンス終了を受けてロゴを一新
三陽商会は明るい未来を見据えて、バーバリー決別の一歩を踏み出し始めました。2015年春夏で事業終了が決定している「バーバリーロンドン」を除き、「バーバリーブラックレーベル」「バーバリーブルーレーベル」のブランド名称を変更すると共に、ロゴを一新することに。「ブラックレーベル」「ブルーレーベル」と、バーバリーの名が消えてレーベル名のみが残ることに。ホームページを見るともうすでにバーバリーのブランドアイコンとして親しまれていたホースマークも消え、レーベル名が強調されているデザインに。これは、ライセンス契約終了後は、「バーバリー」の名と「ホースマーク」を使用しない、という契約がなされているためです。秋冬からは、商品のタグにもこの新しいロゴデザインが反映されるようです。新生三陽商会に乞うご期待、といったところ。