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カジュアルなのに伝統を感じさせるダッフルコート
自動車で言えばBMWがそうであるのが有名ですが、歴史のある企業はたいてい国と共に歩みを進めているため戦争の影が潜んでいます。
安易に戦争を肯定することはできませんが、歴史というものは宿命的にそれを含有します。軍用のトレンチコートの製造で名を馳せたバーバリーも、そういった歴史ある企業のひとつです。
トレンチコートといえば、もう一つでてくるのがダッフルコートです。
どちらも軍服が民生化したものです。
トレンチコートは軍服、ダッフルコートは海軍の防寒着として大量生産されました。
そして、これらの普及のきっかけになった軍隊はバーバリー創立の国であるイギリスの軍隊です。
このダッフルコートが醸しだす佇まいはそのような歴史を背負っているからに他ならないでしょう。
何がそうさせるというわけでもなく、企業の歴史を知らない人にとっても商品の奥行きの深さを感じさせます。
一流企業のみが表現できるものです。
それをあえて見出そうとすれば、すぐに感じるのがダッフ
ルコートの一番の特徴ともいってもいいトグルとループです。
非常にバランスのいいサイズで掛けていても外していても様になります。
首から肩にかけてのラインも美しくかつ機能的です。
本来コートというものは軽くて暖かければいいはずなのですが、ダッフルコートにおいては重厚感も大切です。
またファッション的なイメージだけでなく、現実にも無彩色の強い冬の風に揺るがないようにしなければなりませんので、やはりある程度の重さが必要です。
しかし、身につけた時にはその重さを分散させる技術がそこにはあります。
小脇に抱えている時ほど重く感じないでしょう。
フードの内側やコートの裏地には赤のラインが印象的な伝
統のバーバリーチェックが覗え、それはまるで温かいコート
の内と寒い外の温度差を象徴しているかのようです。
(寄稿 30代男性)
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