バーバリーの万年筆
今から18年前。高校受験に合格したばかりの私にとって、バーバリーは憧れのブランドでした。
バーバリーのマフラーを買って欲しいと父に何度も頼んだものの、「中学生にはまだ早い」と説教されるだけ。キャメルの上に黒と赤と白を配したあのチェック柄を颯爽と首に巻き、友達に自慢したいとずっと思っていました。
そんな私が初めて手にしたバーバリーは、万年筆です。叔父が高校の合格祝いにとプレゼントしたくれたものでした。
私が文章を書くことが大好きで将来は物書きになりたいと言っていたこと、父にバーバリーのマフラーをせがんでいたことを覚えていてくれたのです。
バーバリーが万年筆を手がけていることを、この時初めて知りました。
ペン身にはあの憧れのチェックが施されていて、ペン先はかわいいイエローゴールド。もう、嬉しくて、嬉しくて。さっそく藍色のインクを充填してノートの上を滑らせてみると、力を入れなくても美しいラインが引けました。
紙とペン先がこすれ合う音を聞いているだけで、文豪にでもなった気分でした。その日は一晩中起きていて、思いつくままに文章をつづっていたのを、今でもはっきりと覚えています。
日記を書く時、彼氏からもらったラブレターに返信する時、私は必ずバーバリーの万年筆を使いました。
ついつい力を入れ過ぎてペン先がだめになってしまって、母親に泣きつきました。修理が可能だと知った時は、心底ほっとしましたね。
青春の思い出が詰まった私の大事な万年筆。今でも大事に取ってあります。
仕事でもプライベートでもパソコンばかりを使うようになってしまいましたが、日記だけは万年筆で書いています。
そうそう、万年筆に大喜びした私を見た父ですが、高校の入学式の日にバーバリーのマフラーをプレゼントしてくれたんですよ。大切に使っていたので、3年後もまだ新品のようでした。
そして、私が高校を卒業した時、妹に譲りました。「お姉ちゃんのバーバリーのマフラー、実はずっと狙ってたんだよね」と笑う彼女は、とってもかわいかったです。
(寄稿 40代女性)
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